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要介護2

80代男性

ご本人さまが入居を強く拒否されていたが、お試しから老人ホーム入居につながった事例

〈ご本人さま〉 80代 男性 要介護2/京都市内で奥さまとお二人暮らし
〈ご家族さま〉 奥さま(同居)・長女さま(京都府内在住)
〈入居老人ホーム〉 介護付き有料老人ホーム(京都市内)

「施設だけは嫌だ」と話されていたご本人さま

80代のご主人さまは要介護2。京都市内のご自宅で、同年代の奥さまとお二人暮らしをされていました。
歩行はゆっくりなら自立、トイレはなんとかご自身で移動、ただし転倒歴があり、ふらつきも増えてきているという状態で、奥さまが見守りと家事全般を担っておられました。

奥さまご自身も70代後半で持病を抱えておられ、「自分が倒れてしまったら、この人はどうなるのかと思うと、夜眠れないことがある」
と、不安なお気持ちをケアマネージャーさまに打ち明けられたことがきっかけで、老人ホーム入居という選択肢も話題に上がるようになりました。

しかし、ご主人さまの口ぐせは、「施設なんて絶対に嫌だ」「家が一番落ち着く。最後まで自分の家にいたい」というもので、老人ホームのパンフレットを見せても、表情が固くなってしまう状況でした。

 

老老介護の限界と、ご家族さまの板挟み

長女さまも、仕事と子育ての合間をぬって時々実家に通っておられましたが、

  • 奥さまの疲労が限界に近づいていること
  • 夜間の見守りやトイレ介助で、夫婦ともに眠れない日が増えていること
  • 将来の入院・急変を考えると、このまま在宅だけで支え続けるのは難しいこと

を感じておられました。

一方で、ご主人さまが強く入居を拒否されているため、「無理に連れて行くような形にはしたくない」「でも、このまま自宅で続けるのも不安…」と、奥さま、長女さまは板挟みの状態になっていました。

そこで、担当ケアマネージャーさまから当センター希をご紹介いただき、「本人が施設だけは嫌だと言っている状況でも、どこから相談したらいいか」というテーマでご相談をいただきました。

 

まずは「話を聞くところ」からスタート

当センター希では、いきなり老人ホームを勧めるのではなく、ご自宅を訪問し、ご本人さまとゆっくりお話をさせていただきました。
ご主人さまが本当に心配されていたことは、

  • 施設に入ったら、家族に見捨てられたように感じるのではないか
  • 知らない人ばかりの中で、部屋に閉じこもってしまうのではないか
  • 自由がなくなって、好きなことができなくなるのではないか

といった、施設=自由を奪われる場所というイメージでした。

そこで当センター希では、今のご自宅の生活で困っていること、奥さまの体調や不安な場面、ご主人さまが大切にしたい暮らし方(好きなテレビ番組、散歩、食事の時間帯など)を一緒に整理しながら、どういう選択肢があるのかを考えるとことからお話を始めました。

 

お試し入居という形でのアプローチ

いきなり「終の住処」としての入居を決断するのは、ご本人さまにとってもご家族さまにとっても大きな負担です。

そこで当センター希では、ケアマネージャーさま、老人ホーム側と相談し、
「まずは短期間のお試しで泊まってみる」という形をご提案しました。

具体的には、

  • 日中の見学だけでなく、「1〜2週間の短期利用(体験入居)」の受け入れが可能な老人ホーム
  • ご自宅からの距離が近く、奥さま・長女さまがいつでも会いに行ける場所
  • 食事内容・お風呂・日中の過ごし方などを、あらかじめご主人さまに丁寧に説明してくれるホーム

を複数ピックアップし、ご主人さまの体調に合わせて見学・面談を調整しました。

見学当日は、いきなり複数施設を回らず、1〜2か所に絞ること。
「良かった点」「嫌だと感じた点」をその場で言葉にしていただくこと。
といった工夫をしながら、当センター希の相談員が同行しました。

 

お試し入居で見えた、意外な一面

最終的に、ご本人さまが比較的安心して話ができた老人ホームで、1週間の体験入居を行うことになりました。

事前に、服薬スケジュール、お好きなテレビ番組の時間帯、ご自宅での生活リズムを施設側に共有し、普段の生活に近い形で過ごしていただけるように調整しました。

体験入居中、ご主人さまは最初こそ緊張されていましたが、食堂で同年代の入居者さまと世間話をされたり、職員の声掛けで軽い体操やレクリエーションに参加してみたり、夜間も職員が見守ってくれている安心感から、途中で起きることが減ったなど、ご自宅とは少し違う、安心した表情が見られるようになりました。

奥さまと長女さまは面会に訪れ、「思ったより元気そうで安心した」「家にいるときより表情が柔らかい気がする」と、ホッとされた様子でした。

 

本入居の決断と、その後の生活

体験入居を終えたあと、ご自宅で改めて三者で話し合いの場を持ちました。

ご主人さまからは「正直、最初は二度と行きたくないと思うかもしれないと覚悟していたけれど、職員さんも優しくて、思ったより居心地が悪くなかった。家に一人でいて、夜に奥さんにばかり負担をかけるよりは、あそこで暮らすのも悪くないかもしれない。」
というお言葉がありました。

奥さまも、「正直、寂しさもありますが、夫の安全と自分の体のことを考えると、今のタイミングで決断した方が良いと感じました。」
と話され、最終的に、その老人ホームへの本入居を決められました。入居後は、

ご主人さま:リハビリやレクリエーションに参加しながら、見守りのある環境で生活
奥さま:ご自身の通院や体調管理に時間を使えるようになり、面会時には夫婦の時間として穏やかに過ごせるようになった
長女さま:ご両親それぞれの負担が軽くなり、家族全体で倒れてしまうリスクが減ったと感じられるようになった
という変化がありました。

 

ポイント

● 「施設だけは嫌だ」という言葉の裏には、家族に見放されるのではという不安や自由や尊厳を失うのではという心配が隠れていることが多く、まずはそのお気持ちを丁寧に聞くことが大切です。

● いきなり「終の住処」として決めるのではなく、見学、短期利用(お試し入居やショートステイ的な形)を挟みながら、ご本人さまとご家族さまの不安を少しずつほぐしていくことで、前向きな入居の決断につながるケースがあります。

● 老老介護で限界を感じていても、無理やり連れていくのではなく、ケアマネージャー、紹介センター、老人ホームが連携しながら、 ご本人さまの気持ちのペースに合わせたステップを一緒に踏んでいくことが、結果的にご本人さまとご家族さま双方の安心につながります。
 

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